
「高専関係者へのキャリアインタビュー」第一弾では、福島工業高等専門学校の佐々木修平先生にお話を伺いました。
佐々木先生は私の卒業研究の指導教員であり、大変お世話になりました。
今回は、佐々木先生の研究内容とキャリアについてお聞きしました!
INTERVIEW
― 軽く自己紹介をお願いします。
福島高専 電気電子システム工学科 准教授の佐々木です。
福島高専 本科・専攻科を卒業し、教員として戻ってきました。
どうぞよろしくお願いします。
― 研究のテーマについてお聞かせいただけますか。
現在、超電導の応用機器に関する研究を行っています。超電導体は、「マイスナー効果」と「ピン止め効果」と呼ばれる特有の性質によって、制御なしに安定した磁気浮上ができる材料です。我々はこの特性を活かして、超電導免震装置やエネルギー貯蔵装置などの応用機器の開発を進めています。
― なぜ研究者としてのキャリアを追求しようと思ったのですか。
高専の時から超電導の研究を進めており、この研究が社会にどのように役立つかをより具体的に追求したいと考え、大学院に進学しました。研究を通しての面白さ、やりがい、奥深さを後輩たちに伝えたいと思い、博士号を取得して、教員の道(高専に戻ること)を選びました。
― 研究を行う際の志やモチベーションは何ですか。
常に「分からないことを分かるようにする」もしくは「社会のために何ができるか」を意識しながら、研究に関連する調査・実験を進めています。
― 研究において直面した最も大きな課題は何でしたか。

一番はやはり研究費の工面ですね。研究費の獲得に向けて、どのような手段を講じればよいか常に考えるようにしています。しかし、違う見方をすると、資金が限られているということは自分の創意工夫が求められるといえます。学生時代から自分のアイディアを駆使して取り組んできたことが、今につながっていると思います。
― 研究において最も印象に残っている瞬間は何でしたか。
原理を実証できた時です。自分たちの取り組みによって提案する応用機器の実現可能性が示された瞬間は本当に喜びと達成感がありました。
― 今後の研究や人生の方向性についてどのように考えていますか。
本研究室では、学生が興味のある分野を研究していくことを最優先に考えています。ですので、学生のアイディアによっては今後、様々な領域の研究を進めていくかもしれません。ただ、本筋としては超電導応用機器の開発を続けていき、その実用化(優位性)を社会に示していきたいと考えています。
― 最後に全国の高専生にメッセ―ジをお願いします。
高専に入学することや卒業することが目標ではなく、社会人として自立し、活躍することが皆さんの人生の目標であると考えています。そのためには、どのような知識を身につける必要があるのかを常に考えながら過ごして欲しいと思います。
精一杯楽しんで、有意義な高専生活を送って欲しいです!
佐々木 修平 ささき しゅうへい
福島工業高等専門学校 電気電子システム工学科 准教授
