高専バーチャル

「スキ」と「チャレンジ」が作り出す新しい「カタチ」


TJ-SIF2022に参加しました!


熊本高等専門学校のさくらもちです!

2022年12月末に開催されたTJ-SIF2022に参加してきました!

とても楽しく、たくさんの学びがありましたので、皆さんに共有させていただきたいと思います。

TJ-SIFって何?

TJ-SIF(正式名称:Thailand-Japan Student ICT fair)は数日間にわたってタイで行われる、両国の高校生、高専生を対象としたイベントです。タイ側はPCSHSとタイ高専の生徒、日本側はSSHの高校と高専の生徒が参加することができます。イベントの内容は、主にそれぞれの学校の学生たちが行ってきた様々な分野の研究の発表です。特殊なモジュールや機器の開発、ソフトウェアの開発、ロボットの開発など多くの分野の研究に触れることができます。

実はTJ-SIFは2年に1度の開催です。その代わり、こちらも2年に1度の開催となりますが、TJ-SSFという姉妹イベント的なものが開催されています。これが毎年交互に開催されるということですね~

両イベントとも、毎回タイ国内での開催地が変わり、TJ-SIF2022はタイ北部のチェンライ県・PCHSH-Chiang Raiで行われました。

TJ-SIFの魅力

TJ-SIFは非常に魅力的なイベントだと感じました。例えば…

  • 現地の学生との交流ができる、友達がたくさんできる
  • 気づかなかったり、考えたこともなかった研究分野を知ることができる
  • 英語を使う非常に良い機会になる
  • 自分でテーマを決めて研究し、自分でそれを英語でまとめて発表する、というのはなかなか貴重な経験
  • 異文化に触れ、新しい考え方、価値観を実感することで、物事を見る視点を増やすきっかけになる

などなど、ここでは書ききれないほどたくさんの魅力がありました。

それでも物事のとらえ方は人それぞれですから、皆さんが参加したときには、きっと新しい発見があると思います!


それでは、ここからイベントの内容について、もう少し詳しく書いてみようと思います。

メインイベント:ポスタープレゼンテーションとオーラルプレゼンテーション

ポスタープレゼンテーション

ポスタープレゼンテーションは大きな体育館のような施設の中で行われます。個性豊かなポスターと学生が集まる様子はとても刺激的でした。

ポスタープレゼンテーションは多くの参加者が自由にブースを回り、それぞれの学生が説明をする、という形式ですから、多くの人に何度も研究についての説明をすることになります。

帰国子女でも、英語ペラペラでも何でもない僕にとっては、それはもう…鍛えられました…

ですが、これにもやはり慣れがあります。

やっているうちにだんだんと意識が英語に支配されていきます(アヤシイ話じゃないです)。気づいた時には、頭の中は完全に英語だけになっていたのです。母語であるはずの日本語は意識の中に一切存在しなくなっていました。これは初めての体験でした…

と、英語の話はこれくらいにして、内容について書こうと思います。参加者の皆さんの研究には多くの刺激を受けました。

ここで詳しく取り上げることはしませんが、人体、気象や災害、画像認識、AI、ロボット、個性豊かなクセつよ研究などなど、魅力的な内容の研究であふれていました。

自分が専門にしている分野や、興味のある分野の研究はとても面白いのはもちろんのこと、なんだかよくわかっていない分野、技術自体は知っているけど「こんな使い方があるんだ」と、視野の外からアイデアをくれるような研究に触れることは、大きな財産になるはずです(実際になりました)。


オーラルプレゼンテーション

ここまで読んでくださった皆さんであれば(ありがとうございます!)ポスタープレゼンテーションが「面白かった!」「英語で研究発表するのはいい経験だ!」という僕の感想はある程度は想像がつくと思います(多分)。

ここに関しては、「英語でプレゼンをする」という内容の情報ではなく、一人の聴衆としての感想を書いてみようと思います。

というのも、個人的にオーラルプレゼンテーションの面白さは「聴衆としてじっくり話を聞ける」というところにあるのかなぁと思っているからです。

ポスタープレゼンテーションの方では、時間内はずっと自分のブースにつきっきりで、他のチームの研究はポスターをちらっと眺める、くらいしか知る方法がありません。

オーラルプレゼンテーションならそれができる、ということですね。どんないきさつで、何を考えて作ったのか。どんな技術を使って、どんな工夫をしたのか。その研究をした本人から話を聞くことができます。

ちなみに、いろいろな人の英語を聞くのもそれもまた楽しかったです。

(余談になりますが、私はゲストとして招待されている研究者の方のプレゼンテーションを聞く機会もいただきました。毎回あるのかはわかりませんが、もしこれを読んでいる方で参加されるという方がいらっしゃいましたら、こういうところにも期待していただきたいです。「いや、ワタシ難しい話は頭に入らないのでいやなんですけどぉ~」と思ったそこのあなた!安心してください、入りますよ。)


モノづくり大好きだ!という方も、せっかくならなんか研究してみたい、という方も、英語を鍛えたい!という方も、そのネタはもう古い!と思った方も、必ず楽しめると思います。ぜひ参加を検討されてみてください!

最終日のイベント:フィールドトリップ

最終日のイベントでは、フィールドトリップが企画されています。参加者とともに、数グループに分かれて候補の中から好きな観光地に行くことができます。

私はシンハーパークというところに行きました。VRを体験したり、花畑を眺めてドライフルーツを食べたり(激ウマでした)、ミニ動物園に行ったり、お土産を買ったり、新しい高専仲間を作ったりと、なかなか充実していました。正直に言うと、「おまけイベントのポジションだろうから、まあそこそこなんだろうなぁ」と思っていたのですが、ぜんぜんそんなことはありませんでした。かなり楽しい思い出になりました。

ほかの観光地に行った友達も、楽しかった!と口をそろえて言っていました。

でも、みんなで観光をして、おいしいものを食べて、おしゃべりして、で終わらないのがこのイベント。学校に戻ってきた後、各観光地の学生で集まり、即席のプレゼンを作って発表します。

どんなプレゼンにするのか、誰がスライドを作るのか、どの写真を使うのか、誰が発表をするのか。それはすべて学生たちに任されています。

はい。お察しの通りです。コミュ力とリーダーシップが求められます。なんというか、独特の”college”って感じの雰囲気が漂っていました。あの雰囲気は初体験でした…

国際イベントの醍醐味:国際交流と日本の仲間たち

開催場所となったPCHSH-Chiang Raiの学生さんたちは、イベントの間、本当に親身になってお世話してくださいました。言語も違いますし、文化や価値観も違う。でも気遣いや親切な心はそれらを超えて伝わりました。

相手のことをよく知りたい、楽しんでほしい、文化の良さを知ってほしい、そんな気持ちが何より大事であること。外国語が上手に話せなくても、行動や表情で気持ちは伝わるのだと実感させられました。

僕はたくさんのタイ人の友達ができました。今でも連絡を取り合っています。それは僕の得た財産ですし、白い画面を通しただけでは絶対に作れないものだと思います。彼らには彼らの日常があり、見ているもの、感じているものも全く違います。共通点は決して多くありませんが、共有した思い出が皆さんを強く結び付けてくれると思います。

イベントの副題(Seeing Innovations Through Fostering Thailand – Japan Youth Friendship)にあるように、運営側もかなり多くのチャンスを与えてくれています。ぜひそれを生かしてみてください!


友達になれるのはタイ人だけではありません。日本からもたくさんの高専生、高校生が参加しています。もしあなたが国際交流が好きな高専生であれば、間違いなく意気投合できる仲間が見つかるはずです。高専生は、システムが特殊なこともあってか、どうしても自分たちのコミュニティにこもってしまいがちです。TJ-SIF(TJ-SSF)にはSSHの高校生もが参加しますので、一般の高校生ともつながることができます。

一口に高専といっても、毛色は様々です。専門も得意分野も違いますし、長期留学に毎年多くの学生さんが参加している高専もあります。高専同士のつながりを大事にすると、見えてくるものは必然的に増えますし、やりたいこともカタチにできるかもしれません!

積極的に話しかけて、交友の和を広げましょう!

さいごに

ここまで読んでくださった皆さん、お疲れさまでした。多くはTJ-SIFやTJ-SSFに関心のある方ではないかと思います。

ここに書いたのは、僕の感じたこと、学んだことのほんの一部です。それに、同じものを見ても何を感じるか、考えるかは人それぞれです。だからこそ、皆さんも参加を検討されてみてはいかがでしょうか?ぜひ、ご自分の目で確かめてください。

ここで得たものは、一生の思い出にきっとなると思います。


このブログが少しでも、皆さんのお役に立てればうれしいです。

それではまた、どこかでお会いしましょう!


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